ベトナムの中秋節

中秋節は、公式の祝日ではありませんが、ベトナムの伝統的な祭りの一つです。

旧暦8月15日、日本では月見団子やすすきを供え、静かに収穫への感謝を示しながら満月を愛でる「十五夜(お月見)」という風習があるのと対照的に、ベトナムでは灯籠パレード(ランタンパレード)や獅子舞など、子供や地域を巻き込んだ賑やかな祭りが各地で行われます。

月が最も満ちて明るくなる夜に行われ、今年(2026年)は新暦で9月25日が中秋節にあたります。ベトナムの民間伝承では、この夜は月の女神「チ・ハン・ガー」が地上に降り立ち、月の男「チュ・クオイ」が家に帰ろうとする夜とされています。子供たちはクオイを導くために灯籠を灯します。これが灯籠パレードの由来とされています。

写真 1: 灯篭パレード – 出典: thuethietbisukien.vn

ベトナムでは、小さな村から大都市まで、中秋節の数週間前から特に子供たちの期待や興奮が日に日に高まります。

中秋節の集まりは、世代が結びつき、より親密になるのに役立ちます。これはまた、祖父母や両親が中秋節のごちそうの準備、提灯作り、月見やお茶鑑賞などの活動を通じて、子供や孫に伝統文化について語る機会でもあります。

首都ハノイでは、中秋節の1か月ほど前から、旧市街、特にホアンキエム湖周辺の歩行者天国や、ドンスアン市場周辺に数多くの家族連れが集まり、お祭り騒ぎの熱気に包まれます。少し離れたハンマー通り周辺では色とりどりの提灯で鮮やかに装飾され、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

写真 2: 提灯 – 出典:  vantaiachau.vn

中秋祭りに欠かせない食べ物は月餅です。月餅には様々な種類があります。月餅はベトナム語で”バイン・チュン・トゥー”と呼び、小麦粉の生地を焼いたものと、少しもちもちした米粉から作る生地のものの2種類があり、形は四角と円形があります。この四角と丸の形にはそれぞれ意味があり、四角は大地を、丸は天(空)を象徴するとされています。天と地の形を組み合わせることで、豊かさや幸福を大切な人にもたらす願いが込められています。

写真 3: 月餅 – 出典: Jetstartour.vn

中秋節の1週間~2週間前になると、多くの企業が日頃の感謝を込めて従業員に月餅を贈ります。

また、獅子舞の一団が、通りや店先、公共広場で演舞を披露します。太鼓やシンバルの音、アクロバティックな動きが加わり、「オン・ディア(土の神)」に扮したパフォーマーが獅子を先導し、棕櫚(しゅろ)の葉であおぎ、コミカルな仕草を見せます。

楽しく賑やかに月を愛でるという中秋節の精神は、今もなお、ベトナム人の生活に欠かせない存在であり続けています。

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