Drupal development vendor evaluation based on technical expertise and community contributions

Drupal開発ベンダー選定

Drupal開発ベンダー選定: 「使う会社」ではなく「作る会社」を見抜く

あるお客様は、3社の提案書を並べて悩んでいました。どこも「Drupal実績豊富」「認定エンジニア在籍」と書いてあり、決め手がなかったのです。

そこで私たちは1つの指標をお伝えしました。Drupal.orgの公開プロフィールを見るというものです。3社のうち、維持しているモジュールを公開していたのは1社だけでした。

Drupalはオープンソースです。だからこそ、ベンダーの実力は世界中に公開され、発注前に検証できます。本記事では、その見抜き方と、それがコストにどう返ってくるかを整理します。

Drupalベンダーの「実力」はどこに表れるのか

CMSの世界でDrupalは、大規模・高セキュリティ領域に強いことで知られます。実際、トラフィック上位10,000サイトのうち8.5%がDrupalを採用しています(WordPressは54.3%)。全体シェアは小さくても、規模の大きいサイトほどDrupalが選ばれている、という構図です。

出典:themeisle「2025 CMS Market Share」

こうした大規模サイトを支えるには、CMSを「設定して使う」だけでは足りません。コアの内部構造を理解し、必要な機能を自分で作れる**チームが必要になります。

そして「作れるかどうか」は、Drupalの世界では隠せません。すべてDrupal.orgに記録されているからです。

 発注前に確認すべき4つの指標

提案書の言葉ではなく、検証可能な事実で見ます。

① Drupal.orgでの活動年数 — 流行りで参入したのか、継続しているのか。

Drupalは2015年前後にコアがSymfonyベースへ全面刷新され、事実上の別製品になりました。この断絶を越えて活動を続けているかは、年数に表れます。

② 公開・維持しているプロジェクト数— 「使う側」か「作る側」かの、最も分かりやすい境界線です。公開モジュールがゼロの会社と、数十件維持している会社では、コアへの理解度が違います。

③ セキュリティアドバイザリ対象の管理権限 — Drupalで公式のセキュリティ保証対象になれるのは、コミュニティの審査を通過したメンテナだけです。第三者がコードの品質を認めた証明になります。

④ Issue queueでの活動 — コア本体の議論に参加しているか。障害時に「これはコアの既知問題です」と切り分けられる根拠になります。

注意すべきリスク

この指標は強力ですが、鵜呑みは禁物です。

– プロジェクト数が多い=良い、ではない。1件でも広く使われ、丁寧に保守されているモジュールの方が価値が高い場合があります。数だけでなく中身を見てください。

– 個人の実績とチームの実力は別物。優秀な1名がいても、その人しか分からない属人的な体制なら、担当交代で品質が落ちます。組織として標準化されているかをあわせて確認すべきです。

– 公開活動が無い=実力が無い、とも限りません。受託専業でNDA案件しか扱っていない会社もあります。ただしその場合、発注側は別の方法で実力を測る必要が出てきます。

要は、公開プロフィールは強力だが万能ではない。他の材料と組み合わせて判断してください。

日本市場の動向

日本でもDrupalは、高いセキュリティ要件が求められる領域で採用が続いています。

– 官公庁・大学での採用が多く、理由は高セキュリティ・多言語対応・アクセシビリティ、そして組織ごとの縦割り権限管理への強さです

– 海外ではカナダ政府機関サイトの約25%がDrupal、米ホワイトハウスや州政府サイトでも採用実績があります

– 国内では沖縄科学技術大学院大学(OIST)などが採用しています

出典:ANNAI「Drupalの政府・公的機関における導入事例」ほか

こうした領域では、「なんとなく作れる」レベルのベンダーでは要件を満たせません。だからこそ、作る側の実力を検証する目**が発注側に求められます。

TTVの実際のDrupal実績

対応実績のある業界

当社はDrupalで、ECサイト/コーポレートサイト/ヘルスケア/ホスピタリティ管理システムなどの構築を手がけてきました。これまでに10サイト以上の新規構築・保守運用を担当し、バージョンアップは最新のDrupal 11まで対応しています。

コミュニティへの公開実績:20のContribモジュール

当社のDrupal専門エンジニアは、実案件で必要になった機能を20のContribモジュールとしてDrupalコミュニティに公開しています。カタログ上の「対応可能です」ではなく、手を動かした結果が世界中から検証できる形で残っています。

代表的な2つをご紹介します。

– Context Breadcrumb — Drupalのパンくずリストを、表示コンテキストに応じて動的に定義できるモジュール。多階層サイトで「同じページでも流入経路によってパンくずを変えたい」という要件に対応します

– Node Preview Context — プレビュー画面において、ノードのコンテキスト条件が正しく判定されない問題を解消するモジュール。編集者が「公開前に本番と同じ表示を確認できない」状態を防ぎます

公開モジュール一覧:[drupal.org/u/zipme_hkt]

それがコストにどう返るのか

① 保守費用が上がりにくい  — コアを直接改変せず、正しい拡張ポイントで実装するため、セキュリティ更新を当て続けられます。「更新できず作り直し」を避けられます。

② 追加見積もりが減る — 「既に作ってあるもの」で対応できる範囲が広いほど、追加開発費は小さくなります。

③ 障害対応が速い — Issue queueを日常的に追っているため、コア起因の問題を即座に切り分けられます。

 まとめ

要点は「実績自慢」ではなく「検証可能性」です。

– Drupalベンダーの実力は、Drupal.orgで発注前に検証できます(公開モジュール・活動歴・セキュリティ権限)

– 大規模・官公庁領域では「使う側」でなく「作る側」の実力が要件充足に直結します

– 当社は20のContribモジュールをコミュニティに公開し、10サイト以上の構築・保守を担当、Drupal 11まで対応しています

– それは技術自慢ではなく、保守費用と追加見積もりの差としてお客様に返ります

まずは、いま検討中のベンダー(当社を含め)に「Drupal.orgのプロフィールを見せてください」とお聞きになることをお勧めします。

Drupalでの新規構築・リニューアル・保守のご相談を承っております。既存サイトの現状診断のみのご依頼も可能です。Drupal開発ベンダーの選定でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

 出典

– Drupal.org ユーザープロフィール(zipme_hkt)

– 2025 CMS Market Share(themeisle)

– Drupalの政府・公的機関における導入事例(ANNAI)

– transcosmos technology Vietnam CMSサービス

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